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2020.12.24
【DXは神様である?】なぜ今、DXなのか、 そしてブランディングからDXをどう捉えるの?
近頃、ニュースやメディアで“DX”という言葉をよく聞くようになりましたね。しかし実際のところ、「DXって、なに?」と思っている方は少なくありません。そこでスタイルメントは、<DXは神様である?>と題した全6回の記事シリーズでお届けします。DXは、全ての変革の始まりです。
さてさて、ではそんなに注目を集めているDXとはなんなのでしょうか。
DXは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、近年、政府が推し進めている施策でもあります。DXについて、経済産業省はこのように定義しています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」。(引用:経済産業省. “「DX 推進指標」とそのガイダンス”.令和元年7月)
難しい説明ですが、ポイントはビジネスにITを導入して業務を効率化させようといった類の話ではなく、様々なデータやデジタル技術を用いて、組織とビジネスのあり方そのものを大きく成長・変化させていこうというものになります。
政府がDXを推進する背景には、日本の産業競争力の低下があります。シリコンバレーのベンチャー企業に代表されるように、「ゲームチェンジャー」「ディスラプター」と呼ばれる先進技術を持った企業は、様々な産業の構造や商慣習そのものを大きく変えてしまいました。それに対して日本は、様々な面で後手に回り、遅れをとってしまっているのが実情では? 加えて日本は、少子高齢化による働き手不足などの問題を抱えており、様々な面で改革の必要性が叫ばれています。
このような状況を重く見た政府は、日本企業のDXを推進。重要テーマとして、企業に投げかけているのです。
とは言っても実際のところ、何をすればいいの?
しかし、「いざDXだ!」と言っても、実際は何をすれば良いのでしょうか。注意しなければいけないのは、IT化とDX化はまったく違う点にあります。
IT化は業務の一部をITで置き換え、部分的な業務を効率化させることに主眼が置かれていました。表計算ソフトを使ってデータをまとめたり、経理ソフトを使って担当者の負担やミスを減らしたり……こういった取り組みがIT化ですね。
これに対してDX化は、ビジネス全体を刷新する取り組みです。例えば、顧客のニーズをデータ分析し、それに合わせて商品・サービスの内容・価格をスピーディに変えていくというビジネスがあったとしたら、それはDX化の賜物であると言えます。
重要なのは、データやデジタル技術を使って、新たな価値を創出できるかという点にあります。このことを忘れ、「AIが流行っているから、AIを使って何かしよう」と手法が先になってしまったり、「テクノロジーのことはとりあえずIT部門で……」といった形で、IT部門と経営部門やその他部門を切り分けて考えてしまったりすると、とってももったいない。
このような話をすると、「なんだか大変そう」「面倒だなぁ」と思われる方もいるかもしれません。しかし、DXにはそんなことははねのけてしまうほど多くのワクワクとメリットがあると同時に、取り組まなければ大きな損失を被ってしまう可能性もあります。DXを進めることで、企業は生産性向上や働き方改革を実現できます。すると当然、取り組んでいない企業は相対的に競争力が落ちていってしまう。その差が大きく開いていくのは、当たり前ですよね。
DXの先陣を切った富士通グループ
では具体的に、どのような企業がDXを成功させているのでしょうか。DXを推進している企業のひとつに、富士通グループが挙げられます。
今年7月、富士通グループは「ニューノーマルにおける新たな働き方」と題した記者発表会を開きました。本発表会は、新型コロナウイルスの影響を機にDXを加速させた富士通の取り組みを発表したものです。「Work Life Shift(ワークライフシフト)」というスローガンを掲げ、働き方、オフィスのあり方、社内カルチャーのあり方を抜本的に変えていくと宣言しました。
その後も継続的に取り組みの成果を発表していますが、今日に至るまで富士通グループは、8万人以上いる社員の90%以上を在宅ワークにしたり、数年後にはオフィスの面積を現状から50%減するという目標を立てたりと、アグレッシブな取り組みをしています。
「そんなことをして、本当に仕事が回るの!?」と問いたくなりますが、この取り組みの根底を支えるのが、組織をあげてのDXです。富士通はその成果、すなわちニューノーマル時代における新しい働き方、ビジネスのあり方を支えるノウハウを<FUJITSU Work Life Shift>としてまとめ、他企業のDXを支援しています。
実はDX化が目覚ましいタクシー業界
意外かもしれませんが、DX化が目覚ましい業界の例として、タクシー業界が挙げられます。
タクシーと言えば、顧客が大通りに出て、手を挙げて止めるのが一般的です。しかし最近では、スマホアプリを使って目的の場所までタクシーを呼ぶことも珍しくなくなりました。アプリを使ってタクシーを呼ぶというのは単純なアイディアですが、ある会社ではそれらの使用履歴、すなわちビッグデータを活用し、イベントの情報や気象情報、鉄道の遅延情報などと掛け合わせてAIで分析。乗車需要が多い区域を割り出し、即座に目的地に向かえるように手配する取り組みが行われているとのことです。
今年4月、JapanTaxi株式会社(現 株式会社Mobility Technologies)は、テクノロジー企業である株式会社ディー・エヌ・エーと、タクシー配車アプリ等に関する事業統合を発表しました。タクシー会社とテクノロジー企業が事業統合するなんて、数年前までは誰もが考えていなかったと思います。業界そのものが今後、より大きく変化していくのではないでしょうか。
DXは、もう、ワクワクが止まりません。
DXとは何か、またDXの先進的な取り組みを見てきました。前述の通り、DXはビジネスモデルやサービス、組織のあり方そのものを変革するという概念ですから、そこにはデザインはもちろんのこと、UXやUI、そしてブランディングなど、様々な概念が関連して変革していきます。ITツールの導入だけではなく、顧客や従業員とのコミュニケーションが変化し、そう遠くない将来、全く新しい仕事が創造されているはずです。
では、今後もDXにまつわる様々な情報を<DXは神様である?>全6回(予定)の記事として発信していきます。ぜひご覧ください!