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2021.01.06

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2021年の幕開け。今こそ、ニューノーマル時代のブランディングを

コラム トレンド ブランディング

新年、あけましておめでとうございます。 波乱続きの時代だからこそ、中長期的なブランディングに取り組む重要性は増しています。 <DX>と<ブランドパーパス>、2つのキーワードから2021年のブランドづくりを紐解きます。

目次

波乱の2020年から、成長の2021年へ

 昨年は大波乱の1年でした。2020年の今頃は、新型コロナウイルスのニュースは海の出来事として、対岸の火事という印象。日本での感染者数も一桁台だったことを記憶しています。それが2月、3月と、時間が進むにつれて深刻な状況に。瞬く間に感染者数は増加し、4月には緊急事態宣言が発令されました。
 私たち企業も、刻一刻と変わる経済・生活状況に対して、どのように対応していくかと予断を許さない状況にあったと思います。2020年全体を振り返ると、感染拡大防止と健康を最優先させながら、新しい時代に合わせてプロダクトの大変革、サービスの大変革を考えながら過ごしておりましたね。
 年が明けた現在も気の抜けない状況が続いておりますが、コロナウイルスに関する研究も進み、ワクチンも開発されつつあるのは事実。人類の歴史上この状況から抜け出していく事は間違いありません。
しかし、コロナの前と後では同じ状況になる事は絶対にないと言えます。
 その時、自社はどのような企業であるのか。ベターな回答を目指しながら、経済・生活状況が回復した際には先陣を切れるよう、今こそ自社のあり方を考え、ブランディングを行っていくべきなのです。

これからの時代のキーワードは、<DX>と<ブランドパーパス>

 2021年、そしてその先は、どのような時代になっていくのでしょう。
確かなことは、デジタルトランスフォーメーション(DX)が限りなく進んでいくこと。あるメディアでは、今回のコロナ禍の状況を通して、「2年分のDXが2ヶ月で達成された」と評するほど、デジタルトランスフォーメーションが進みました。ZOOMなどオンラインMTGツールの使用は当たり前になり、「対面でないと難しいのでは」と考えられていた営業活動も、オンラインがすっかり定着しました。
 またこういった状況下において、「ブランドパーパス」という言葉が、非常に注目を集めています。
ブランドパーパスとは、「どんなブランドになりたいか」を飛び越え、「自社のブランドを通じて、どんな社会を作っていきたいか」「事業を通じて、どのように生活者や社会に貢献していきたいか」といったブランドを通じた影響を指します。パーパスは、「目的」と直訳されますが、その言葉の通り、「どんなブランドでありたいか」、言わば、「ブランドがこの世に存在する意義」を考えることが、これからの時代においてより重要になっていくのですね。
 繰り返しになりますが、コロナ禍を経て、私たちの生活は一変してしまいました。たんなる景気の良し悪しだけでなく、価値観さえも変化するなかで求められるのは、デジタルトランスフォーメーションといった時代のトレンドをきちんと捉え、どのようなブランドを作っていきたいか。そしてそのブランドにより、どのような影響を世の中に与えていきたいかを、しっかりと考えることです。

ブランドパーパスの先進事例であるパタゴニア

 ブランドパーパスを体現している先進企業として、登山用品やアウトドア用品を主に手掛ける、米企業の「パタゴニア」が挙げられます。
アパレルブランドとしても馴染みの深いパタゴニアですが、同社はブランドステートメントとして、このような文言を掲げています。

<We are in business to save our home planet. Use business to inspire and implement solutions to the environmental crisis.
私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。ビジネスを手段として、環境危機へのより良い解決策を実行していく>

 このステートメントを発表した当時、パタゴニアが行ったキャンペーンが話題になりました。それは、<Worn Wear(新品よりもずっといい)>キャンペーン。
通常、企業としては、次から次へと自社の商品が購入されることを望みます。しかし、パタゴニアが訴えたのはその逆。「環境問題を考えた時、必ずしも新製品を購入する必要はない。すでに持っているものを長く使ってほしい」というメッセージを掲げ、アメリカ国内の大学キャンパスをリペア(修理)車で訪問。パタゴニアの衣料品に限らず、修理が必要な衣料品を持ち込んだら無料でリペアする、という取り組みを大々的に行いました。

一貫したブランディングが、ファンづくり・信頼づくりにつながっていく

 その方法は様々。オリジナルパッチで穴を塞いだり、生地と生地を縫い合わせたり……。パタゴニアの取り組みを目の当たりにして、「こんな服の生かし方があるのか」「この服、まだ着られるじゃん!」と多くの学生が気づかされたとか。また同時に、リペアが終わり画一的なデザインではなくなった衣服を見て、「これはかけがえのない、世界で一つの自分の服だ」と、持ち込んだ服にいっそうの愛着を感じた学生が多くいたと言います。
パタゴニア以外も、衣料品のリペアを行っている企業はあるでしょう。しかし、他社のブランドに関してもリペアを実施し、その哲学を貫く企業は、パタゴニアの他にないのではないでしょうか。
前述のステートメント/ブランドパーパスを実現するためには、目の前の商品が自社のものか、そうでないかは関係ありません。パタゴニアはこのキャンペーンに限らず、素材や商品づくり、売り方、利益の使い方、ブランドコンテンツの制作まで、見事なまでに一貫したブランディングを行っており、着実にファンを増やし続けているのです。

オンライン/オフラインを問わず、思いを積極的に発信していくことが重要に

 現在はデジタルトランスフォーメーションが進み、顧客の顔が見えづらい時代かもしれません。だからこそ、自社のブランドはどうありたいかといったメッセージを発信することが、いっそう重要なのです。
 リアルでのコミュニケーションはもとより、Webサイトであったり、メールマガジンであったり、SNSやオウンドメディアの更新であったり……発信の方法は様々です。重要なのは、顔が見えないからこそ、自分たちのブランドのカラー、思い、理念といったものを、オンライン/オフラインを問わず、積極的に発信していくべき、ということ。これはすべての企業に当てはまるといっても、過言ではありません。
 アフターコロナの時代は、真新しい時代であると同時に、時代の荒波を乗り越えていく信念や思いのあるブランドが成長していく時代とも言えます。
そのような時代に、いっそうの飛躍を実現するために、今一度、自社のブランディングを考えてみることをお勧めします。

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