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2021.03.16
社内外のコミュニケーションに、ブランディングの力を
今年度も残り1ヶ月を切りました。4月からは新入社員が受け入れる企業も多いと思います。そこで課題になるのが、社員の育成。コロナの影響が長引く現在、どのように社員とコミュニケーションをとるべきなのでしょうか。サイボウズの事例を元に、社内外のブランディングについて考えていきます。
コロナの影響がある中、4月には新入社員が入社
時間が経つのは早いもので、3月になりました。暖かい日も増え、少しずつ春の訪れを感じています。
コロナの影響が続く中、来月には新卒をはじめとして、新入社員が入社してきます。昨年は新型コロナの影響が本格化する中での入社式でした。今年はこの状態も改善されると思っていたのですが、依然としてその脅威は過ぎ去ったとは言えない状況にあります。
昨年は、入社を遅らせる会社があったり、出社のタイミングをずらしたりするケースが目立ちました。今年も引き続き、感染症を流行させないための対応を重ねることが強いられています。
課題が多い、オンライン時代の社員育成
そんな時、悩みの種なのは、新入社員の育成。特に新卒は何もわからない状態にあるので、本来であれば、研修施設を使用したり、対面での座学研修をしたりしながら、会社について学ぶとともに組織の雰囲気や文化を感じ取ってもらうことが重要です。
しかし、現在はそれも難しい状況にあります。知識やルールはオンラインMTGツールを用いて伝えることができますが、対面のコミュニケーションが取りづらいため、深く知ってもらうのはなかなか難しいのではないでしょうか。
実務も同様です。ほとんどの会社では一定の研修を重ねた後、各部署に配属されますが、このような状況では部署内のコミュニケーションも希薄になりがちです。特に営業といった顧客と接する部署では、リアルの営業を行った後にオンラインの営業に移るならまだしも、今ではいきなりオンラインにて営業をしなければいけないといった状況も生じています。
オンラインMTGツールは使い勝手の良いですが、相手の機微をつかんだり、微妙な言葉のニュアンスを汲み取ったりするには限界があります。このような中で、新入社員に自社の雰囲気や魅力を伝える、またお客様に自社のことを魅力的に伝えていくためには、工夫が必要になります。
コミュニケーションが希薄な今だから使いたいブランディングツール
かつては、先輩の営業に同行することでコミュニケーション能力を鍛えたり、部署配属の日に歓迎イベントを催したりすることで、社内外における交流の機会が設けられていましたが、今ではそれも実行し難い状況にあります。
このような状況の中、業務を円滑に進め、社員の育成に活用したいのがブランディングツール。ブランディングと言うと、外見を綺麗に見せるためのものと思われがちですが、役割はそれだけではありません。
ブランディングには、「インナーブランディング」と「アウターブランディング」があります。インナーブランディングは主に社内に向けたメッセージ。アウターブランディングは主に社外に向けたメッセージ。この2つを意識しながらツールを作成することで、事業をわかりやすく伝えるだけでなく、想いも含めた組織の価値や意義について、相手に理解してもらうことができるのです。
ツールの活用において大切な「アクセスのしやすさ」
実際には、どのようにメッセージを発信していけば良いのでしょうか。
インナーブランディングにおいては、理念やカルチャーを伝えるために、理念ブックやムービーを用いるケースがあります。最近ではアプリや社内向けサイトを使い、社員のスマホからいつでもアクセスできるようにする取り組みをすることも増えてきました。発信するメッセージを精査するのはもちろんですが、大切なのは「いつでも手に取り確認できる」こと。そのため一人ひとりにとって、アクセスしやすい形態であることが望まれます。
アウターブランディングは、顧客や求職者などに向けたブランディングのこと。通常ではコーポレートサイトやリクルーティングサイト、また会社案内や商品説明の資料を、アウターブランディングに活用します。
コーポレートサイトの重要性を認識していても、会社案内や商品説明の資料にまでブランディングを意識している企業はあまり多くないのではないでしょうか。
「今どき会社案内なんて誰も読まないよ」という意見があるかもしれません。しかし対面の打ち合わせができない今だからこそ、資料の重要性は高まっています。直接会って話を聞く機会が少ない分、顧客や求職者も資料から情報を読み取ろうとするケースが多いですし、新入社員はそこから学ぶことも多いはず。そのため、どのツールもメッセージの内容や一貫性を大切にすべきなのです。
両面のブランディングを大切にするサイボウズ
インナーブランディングとアウターブランディングは、自動車の前輪と後輪のようなもの。両方を考えることで、ブランディングが形になります。コミュニケーションが少ない今だからこそ、こういったツールで自社の想いやビジョンを伝えていくのが効果的です。
受け手は「整合性」を求めます。コーポレートサイトは素晴らしくとも、社内向けのメッセージと整合性が取れていなければ社員は矛盾を感じますし、顧客も外に向けて言っていることと社員の言動が食い違っていたら、がっかりしてしまいます。インナーとアウター、使う言葉は違っていても、「伝えたいこと、大切にしたいことは一緒」だというのが、きちんと伝わるようにするのがベストです。
実際に、ブランディングを大切にして、企業経営をしている企業のひとつに上場企業のサイボウズがあります。代表の青野社長は早くから働き方改革に着手し、女性でも働きやすい職場づくりに努めてきました。また自身が「イクメン社長」としてメディアに登場し、夫婦別姓や児童虐待防止について意見を述べることで、積極的に自社の考え・意見を発信しています。働き方を考えるオウンドメディア『サイボウズ式』はとても有名で、一度は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
一貫性と覚悟が、ブランディングの肝となる
青野社長の言動は社内外において一貫しており、明確なメッセージとして受けに届けられているため、広告になるばかりか、「人を大切にする企業」というブランドイメージを揺るぎないものにしています。そのため、BtoBのビジネスでありながらも知名度は抜群で、就活学生の人気企業のひとつになっています。
成功するブランディングに、経営陣の覚悟は欠かせません。メッセージを熟考し、効果的にツールを用いることで、形になっていくのです。
新入社員の入社は喜ばしい反面、今後はコミュニケーションが企業の課題になってくるでしょう。社員と組織の成長を支えるため、改めてインナーブランディングとアウターブランディングについて考えてみてはいかがでしょうか。
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