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2021.10.20

神は細部に宿る。WebにおけるUXライティングの考え方

UI設計の考え方の一つに「UXライティング」というものがあります。テキストをさりげなく配置することでスムーズに操作できるよう手助けして、ユーザー体験を向上させることを目指します。この記事ではそんなUXライティングの基本とポイントをまとめました。デザインに携わる方はもちろん、そうでない方もUXライティングについて知ることで身の回りのものがちょっと違って見えるかもしれませんよ。

神は細部に宿る。WebにおけるUXライティングの考え方
目次

    今、UXライティングが必要な理由

    UXライティングとは、一言で言うとユーザーへの気遣いです。サイトを訪れるユーザー、アプリを使うユーザーが、操作に迷わずスムーズに目的を達成するためのさりげない気配りをテキストで行おうというのがUXライティングの考え方です。ユーザビリティを高めるうえで注目されている手法ですが、スタイルメントでは企業ブランディングにおいてUXライティングを意識することが非常に重要であると考えています。

    多くの企業がWebに力を入れるようになってきた今、キャッチコピーやキービジュアルのようにユーザーの目を引くポイントに力を注ぐのは当たり前になってきています。どの企業もWeb上で優れたメッセージを発信するようになったとき、サイトの使い勝手や見やすさのような目立たないポイントが企業の印象を左右するカギになってきます。

    今後、企業の価値を確かなものにしていくため、今のうちにUXライティングについて知っておきましょう。

    UXライティングとは何をするのか?

    では、UXライティングとは実際のところどのようなものか、iPhoneのロック画面を例に説明します。

    ホームボタンがなくなったiPhoneを初めて見たとき、どうやって開けばいいのか分からず戸惑った覚えはありませんか?ただ、ほとんどの人は戸惑いながらも数秒触るとロックを解除できたはずです。なぜそんなことが可能になるのか、ここにUXライティングの秘訣が隠されています。

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    この二つの画像は一見同じように見えますが、2枚目の画像下には小さくテキストが表示されています。
    これを見れば、「ロック画面を解除する」という目的を達成するためには「上にスワイプ」すればいいとわかります。

    このテキストはiPhoneのホーム画面を開いた状態で数秒たつと表示されるようになっています。慣れたユーザーには余計な情報を表示しないすっきりとしたUIを提供しつつ、ロックを開かずにいる=開き方が分かっていなそうなユーザーには開き方を教えてくれるというわけです。

    このように、ユーザーの行動を予測して適切なサポートをすることでユーザー体験(UX)を向上させるテキスト作成をUXライティングと言います。

    UXライティングでまず意識する3つのポイント

    • ユーザーはほとんどのテキストを読み飛ばす

    まず、根本的な考え方として、ほとんどのユーザーはよほど興味のある内容でなけれればサイト上のテキストを読みません。説明や注意書きを読むためではなく、その先にある自分が知りたい情報にアクセスしたり、何かを購入したりするためにWebサイトを見ているからです。だから、こちらが伝えたいテキストはユーザーの目に止まる箇所に、一文字でも短く端的にまとめる必要があります。

    • 伝えたいことは一つにする

    これはUXライティング以外にも言えることかもしれませんが、一つのテキストに対して伝えたいメッセージは一つにすることを心掛けましょう。一度にいくつもの指示をされるとユーザーは混乱してしまいます。折角、テキストを短くしたのにも関わらず、メッセージを複数入れてしまっては本末転倒です。テキストを短くまとめることと合わせて覚えておきましょう。

    • 記憶に残らないようにする

    UXライティングの目的はユーザーの目的の達成をサポートすることです。文字を理解させることに意識を割いてしまっては本末転倒です。ユーザーの快適な体験のためには、そんなテキストがあったことを誰も記憶していないぐらい、操作の中に溶け込んでいる状態が理想だといえます。

    UXライティングでブランド価値は向上する

    UXライティングの基本について、かいつまんで説明いたしました。なんとなくはどういうものか掴んでいただけたのではないでしょうか。最後に、もう少しだけUXライティングと企業ブランディングについてお話させていただきます。

    冒頭でも言いましたが、UXライティングとはユーザーへの気遣いです。企業のWebサイトでは顧客への気遣い、ホスピタリティと言い換えてもいいでしょう。オフィスの来客時に会議室までスムーズに案内してお茶を出したり、店舗で空調や陳列を整えたり、顧客に快適に過ごしてもらうのための取り組みはリアルでは当たり前のように行われています。そういう細やかな気遣いが、強く意識されることはなくとも確実に企業ブランドを左右することを皆知っているからです。

    コロナ禍を経て、Webサイトは今まで以上に重要な顧客との接点になっています。メニューの項目名、フォームボタンの前の案内文、そういった小さな積み重ねが企業イメージの向上に繋がっています。キャッチコピーや企業メッセージのような目に留まるテキストの開発はもちろん大切ですが、この機会にちょっとした目立たないテキストにも意識を向けてみてはいかがでしょうか。



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