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2024.10.21

プロが伝授!コーポレートサイト制作の手順 〜企画から運用までのステップを徹底解説〜

皆様の会社では、自社のコーポレートサイトを上手く活用できていますか?
今回は新規制作やサイトリニューアルに興味をお持ちの方に向けて、コーポレートサイトの在り方から戦略、制作の流れ、公開後の運用まで、コーポレートサイトのすべてを解説いたします。

プロが伝授!コーポレートサイト制作の手順 〜企画から運用までのステップを徹底解説〜
目次

    コーポレートサイトの目的とは?

    「やっとの思いで公開したのに思ったような成果が出ていない」
    「以前は運用を頑張っていたけれど、ここしばらくは動きがなくて困っている」。
    このようなお悩みを抱える企業様から、コーポレートサイトについてご相談を頂く機会が増えています。
    こういったお悩みの原因は、『WEB戦略としての視点』が欠けてしまっているケース、もしくは時間の経過によって戦略が古くなってしまっているケースが考えられます。

    幅広い役割をもつことができるコーポレートサイトだからこそ、どういう目的で何を目指すのかをスタート段階でしっかりと定めておくこと。また、事業の成長や市場の変化に応じて、定期的に目的を見直すことも必要です。

    一般的にコーポレートサイトの役割は、「企業イメージの向上」「社員のモチベーションアップ」「営業マーケティング」などが上げられますが、用途に応じて、ある役割に特化させたコーポレートサイトを運用する企業もあります。

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    ・商品訴求を強くしたい、ブランド訴求と共に商品販売もしたい→EC型
    ・ユーザーとのエンゲージメント(つながり)を高めたい→メディア(ブログ)型
    ・海外に支店がある、海外の顧客も獲得したい→多言語型
    ・いい人材とマッチングしたい、人材獲得に力を入れたい→採用重視型

    この他にも、目的の数だけさまざまな形のコーポレートサイトがあり、それぞれ運用体制も違います。
    いきなり「デザインがカッコ良くなればOK!」ではなく、まずは「誰に向けた何のためのサイトなのか?」から考えていきましょう。

    コーポレートサイト制作の流れ

    コーポレートサイト制作プロジェクトは、複数の段階を経て進行します。全体の流れを把握することで、プロジェクトの見通しが立ち、各段階での作業がスムーズになります。

    [ 企画と要件定義]
    プロジェクトの第一歩は、企画と要件定義です。この段階では、サイトの目的、ターゲットオーディエンス、必要な機能などを明確にします。綿密な計画を立てることで、後工程でのミスや手戻りを防ぐことができます。

    [ サイトデザイン]
    次に、サイトのビジュアルデザインを行います。ワイヤーフレームを作成し、それをもとにデザインを具体化していきます。この段階では、ブランドイメージとユーザビリティのバランスが重要です。

    [ 開発とコンテンツ制作]
    デザインが決まったら、実際のサイト構築作業に入ります。フロントエンド・バックエンド開発を行い、同時にサイトに掲載するコンテンツの制作も進めます。SEOを意識した質の高いコンテンツ作りが求められます。

    [ テスト、公開、運用]
    開発が完了したら、様々な角度からサイトのテストを行います。機能面、表示面、セキュリティ面など、多岐にわたるチェックを行い、必要に応じて修正や最適化を行います。

    企画と要件定義

    コーポレートサイト制作の成否を大きく左右するのが、この企画と要件定義の段階です。ここでの検討が不十分だと、後工程での大幅な修正や、完成後のサイトパフォーマンスの低下につながる可能性があります。

    [目的と目標の明確化]
    まず、サイト制作の目的を明確にします。企業認知度の向上、商品・サービスの販売促進、採用活動の強化など、目的は様々です。具体的な数値目標(例:問い合わせ数を月50件に増加)を設定することで、後の効果測定がしやすくなります。

    [ターゲットと3C分析]
    次に、サイトの主なユーザーとなる層を特定して、競合と比較分析を行います。年齢、性別、職業、興味関心などの属性を詳細に分析し、ペルソナ(仮想ユーザー像)を作成すると良いでしょう。3C分析では「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3要素から、事業の成功要因を探る分析手法です。自社の強みや立ち位置を理解することで、適切なデザインやコンテンツを選択できます。

    [機能要件の洗い出し]
    サイトに必要な機能を列挙します。お問い合わせフォーム、ニュース配信、製品カタログ、採用情報など、想定される機能を漏れなくリストアップします。この際、必須機能とオプション機能を区別し、優先順位をつけておくと良いでしょう。

    [サイトマップと情報設計の作成]
    最後に、サイトの全体構造を示すサイトマップを作成します。ユーザーが欲しい情報に素早くたどり着けるよう、論理的な階層構造を設計することが重要です。同時に、各ページの役割や掲載内容を整理する情報設計も行います。

    企画と要件定義の段階では、クライアントとの密なコミュニケーションが欠かせません。企業の方針やブランド戦略を十分に理解した上で、Webサイトという媒体の特性を活かした提案を行うことが、プロフェッショナルな制作会社には求められます。

    サイトデザイン

    サイトデザインは、ユーザーの第一印象を決定づける重要な要素です。機能性と美しさを兼ね備えたデザインを作り上げることで、ブランドイメージの向上とユーザビリティの確保を同時に実現できます。

    [ワイヤーフレームの作成]
    デザイン作業の第一歩は、ワイヤーフレームの作成です。ワイヤーフレームとは、サイトの骨格を示す簡略化された設計図のようなものです。各ページのレイアウト、主要なコンテンツの配置、ナビゲーションの構造などを、装飾を排して表現します。
    この段階では、ユーザーの動線や情報の優先順位を考慮しながら、効果的なレイアウトを検討します。モバイル版とデスクトップ版の両方のワイヤーフレームを作成し、レスポンシブデザインの基礎を固めることも重要です。

    [サイトデザインの制作]
    ワイヤーフレームをベースに、具体的なビジュアルデザインを作成します。この段階では、企業のブランドカラーやロゴ、タイポグラフィなどを考慮しながら、統一感のあるデザインを目指します。
    近年のトレンドとしては、ミニマルデザイン、大胆な写真やイラストの使用、マイクロインタラクションの導入などが挙げられます。ただし、流行を追うだけでなく、企業の個性やメッセージを適切に表現することが重要です。
    また、アクセシビリティにも配慮が必要です。色のコントラスト比を適切に保ち、フォントサイズを読みやすく設定するなど、多様なユーザーが快適に利用できるデザインを心がけましょう。

    [デザインレビューとフィードバック]
    完成したデザインは、クライアントや社内関係者とのレビューを通じて評価されます。このプロセスでは、単なる「好き嫌い」による判断を避け、サイトの目的やターゲットユーザーのニーズに合致しているかを客観的に評価することが重要です。レビューの際は、ブランドイメージとの整合性、情報の階層性と視認性、ユーザビリティとナビゲーションの使いやすさなどの要素を綿密にチェックします。

    さらに、モバイル対応の適切さや競合他社との差別化要素も重要な評価ポイントとなります。これらの観点から多角的に検討することで、デザインの質を高めるとともに、プロジェクトの目標達成に向けた方向性を確認できます。

    レビューで得られたフィードバックを基に必要な修正を行い、デザインを確定させていきます。この段階で十分な検討と調整を行うことは、後の開発段階でのスムーズな進行につながります。慎重かつ建設的なデザインレビューとフィードバックのプロセスは、効果的なコーポレートサイトの実現に不可欠な要素と言えるでしょう。

    開発とコンテンツ制作

    デザインが確定したら、いよいよ実際のサイト構築作業に入ります。同時に、サイトに掲載するコンテンツの制作も進めていきます。この段階では、技術的な実装とクリエイティブな制作が並行して行われるため、チーム間の連携が特に重要になります。

    [フロントエンド・バックエンド開発]
    フロントエンド開発では、HTML、CSS、JavaScriptを使用して、デザインを実際のWebページとして構築します。レスポンシブデザインの実装や、アニメーションなどのインタラクティブな要素の追加も行います。

    バックエンド開発では、サーバーサイドの処理やデータベースの構築を行います。お問い合わせフォームの処理、ユーザー認証、データの保存と取得など、サイトの機能面を支える重要な作業です。

    近年では、パフォーマンスの最適化も重要な課題です。画像の最適化、コードの圧縮、キャッシュの適切な設定など、ページ読み込み速度を向上させるための施策を実施します。

    [CMS実装とレスポンシブデザイン]
    多くのコーポレートサイトでは、コンテンツ管理システム(CMS)を導入します。WordPressやMovable Typeなどの一般的なCMSを使用する場合もあれば、カスタムCMSを開発する場合もあります。CMSの選定と実装は、サイトの運用効率に大きく影響するため、慎重に検討する必要があります。

    また、スマートフォンやタブレットなど、多様なデバイスに対応するレスポンシブデザインの実装も欠かせません。デバイスの画面サイズに応じて最適なレイアウトに自動調整される仕組みを構築し、すべてのユーザーに快適な閲覧環境を提供します。

    [SEOを意識したコンテンツ作成]
    サイトの骨格が完成したら、各ページに掲載するコンテンツの制作に移ります。この段階では、マーケティング戦略とSEO(検索エンジン最適化)を意識した質の高いコンテンツ作りが求められます。具体的には、ターゲットキーワードの適切な配置、メタディスクリプションの最適化、読みやすい文章構成とヘッダータグの適切な使用などが重要なポイントとなります。さらに、内部リンクの戦略的配置や画像のalt属性の適切な設定も、SEO効果を高める上で欠かせません。

    しかし、SEO対策に終始するのではなく、ユーザーにとって真に価値のある情報を提供することが最も重要です。企業の強みや独自性を明確に伝え、ユーザーの課題解決につながるコンテンツを心がけることで、検索エンジンだけでなく実際のユーザーにも評価されるサイトを作ることができます。

    このようなアプローチにより、検索エンジンでの上位表示を目指しつつ、訪問者の満足度も高めることが可能となります。結果として、サイトへの流入増加だけでなく、コンバージョン率の向上やブランド価値の強化にもつながり、コーポレートサイトとしての効果を最大化することができるでしょう。

    [品質管理とレビュープロセス]
    開発とコンテンツ制作の過程において、継続的な品質管理は不可欠です。定期的なレビューを実施することで、サイトの品質を常に高い水準に保つことができます。このレビューでは、コードの品質と一貫性、デザインとの整合性、各機能の動作確認など、技術面での検証を行います。同時に、コンテンツの正確性と一貫性も重要なチェックポイントとなります。

    さらに、ユーザー体験に直結する要素として、クロスブラウザ対応やパフォーマンス、ページ読み込み速度なども綿密に確認します。これらの多角的な視点からのレビューにより、サイト全体の品質を総合的に評価し、改善点を洗い出すことができます。

    レビューで発見された問題点は速やかに修正し、高品質なサイトの完成を目指します。この段階で十分なチェックと改善を行うことで、公開後のトラブルを最小限に抑えることができます。また、このような綿密な品質管理プロセスを経ることで、サイトの信頼性と使いやすさが向上し、結果としてユーザー満足度の高いコーポレートサイトの実現につながるのです。

    テスト、公開、運用

    サイトの開発とコンテンツ制作が完了したら、いよいよ公開に向けた最終段階に入ります。ここでは、綿密なテストと最適化を行い、安全かつ効果的にサイトを公開し、その後の運用へとつなげていきます。

    [各種テストと修正]
    公開前には、様々な角度からサイトのテストを行います。主なテスト項目には以下のようなものがあります。

    機能テスト:全ての機能が意図通りに動作するか確認
    ユーザビリティテスト:ユーザーに操作してもらい、使いやすさを検証
    クロスブラウザテスト:異なるブラウザでの表示・動作確認
    レスポンシブデザインテスト:様々なデバイスでの表示確認
    セキュリティテスト:脆弱性のチェックと対策
    パフォーマンステスト:ページ読み込み速度や同時アクセス耐性の確認

    テストで発見された問題点は、優先順位をつけて修正していきます。特に重大な不具合や、セキュリティに関わる問題は、公開前に必ず解決しておく必要があります。

    [パフォーマンスとセキュリティの最適化]
    テストの結果を踏まえ、サイトのパフォーマンスとセキュリティの最終的な最適化を行います。パフォーマンス最適化では、以下のような施策を実施します。

    ・画像の圧縮と最適なフォーマットの選択
    ・JavaScriptやCSSの圧縮とミニファイ
    ・ブラウザキャッシュの適切な設定
    ・コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)の利用検討
    ・セキュリティ最適化では、以下のような対策を講じます:
    ・SSL証明書の導入によるHTTPS化
    ・ファイアウォールの設定
    ・定期的なバックアップの仕組み構築
    ・セキュリティプラグインの導入(WordPressなどのCMS利用時)

    これらの最適化により、ユーザー体験の向上と安全性の確保を同時に実現します。

    [公開と初期運用]
    すべての準備が整ったら、いよいよサイトを公開します。公開時は以下の点に注意しましょう

    ・DNSの設定変更と伝搬の確認
    ・サーバーの負荷監視
    ・404エラーページの設定
    ・旧サイトからの適切なリダイレクト設定

    公開直後は、アクセスログやエラーログを頻繁にチェックし、問題が発生していないか確認します。また、主要な検索エンジンにサイトマップを送信し、新しいサイトのインデックスを促進します。
    初期運用段階では、ユーザーからのフィードバックに迅速に対応することが重要です。問い合わせフォームやSNSを通じて寄せられる意見や要望を集約し、必要に応じて軽微な修正や機能追加を行います。

    [継続的な改善と保守]
    コーポレートサイトの価値を長期的に維持・向上させるには、公開後の継続的な改善と保守が不可欠です。この過程では、定期的なアクセス解析が重要な役割を果たします。Google Analyticsなどのツールを用いてユーザーの行動を分析し、ページビュー数、滞在時間、離脱率などの指標を確認することで、コンテンツや導線の最適化に向けた改善点を見出すことができます。同時に、ニュースや製品情報などの鮮度の重要なコンテンツを定期的に更新し、SEO効果の高いブログ記事やお役立ち情報の追加も検討しましょう。

    技術面では、CMSやプラグイン、サーバーOSなどの定期的なアップデートを行い、セキュリティと機能性を維持することが重要です。また、問い合わせやSNSでの意見、アンケート結果などのユーザーフィードバックを分析し、サイトの改善に活かすことで、ユーザー満足度の向上につなげることができます。さらに、Webデザインや技術のトレンドを把握し、必要に応じてデザインのリフレッシュや新機能の追加を検討することも、サイトの魅力を保つ上で重要です。

    競合分析も忘れてはいけません。定期的に競合他社のサイトをチェックし、自社サイトの相対的な位置づけを確認することで、必要に応じて差別化要素を強化できます。また、ページ速度やサーバーの応答時間などのパフォーマンス監視、定期的なセキュリティスキャンの実施も、サイトの品質維持には欠かせません。これらの継続的な取り組みにより、コーポレートサイトは常に最新かつ効果的な状態を維持し、企業の強力なマーケティングツールとして機能し続けることができるのです。

    制作手順の振り返りとポイントの整理

    以上、コーポレートサイト制作の一連の流れを詳しく見てきました。成功するプロジェクトのポイントをまとめると、以下のようになります。
    ・綿密な企画と要件定義を行い、明確な目標を設定する
    ・ユーザビリティとブランドイメージを両立させたデザインを作成する
    ・技術的な実装とクリエイティブな制作のバランスを取る
    ・徹底したテストと最適化により、高品質なサイトを完成させる
    ・公開後も継続的な改善と保守を行い、サイトの価値を維持・向上させる

    これらのポイントを押さえつつ、クライアントとの密なコミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めることで、効果的で魅力的なコーポレートサイトを制作することができるでしょう。
    Web技術やユーザーのニーズは日々進化しています。常に最新のトレンドや技術動向にアンテナを張りつつ、基本的な制作プロセスをしっかりと押さえることが、プロフェッショナルなWeb制作者には求められます。本記事で紹介した手順を参考に、成功するコーポレートサイト制作を目指してください。

    スタイルメントでは、ブランディングのノウハウと、経営課題を解決するための設計・デザインの提供を強みとしています。コーポレートサイトの制作やリニューアルをご検討の際は、ぜひ当社にお問い合わせください。企業の魅力を引き出し、事業の拡大につながるコーポレートサイトの制作をサポートいたします。

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