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【採用トレンド】激化する「即戦力」人材獲得競争で中小企業が勝ち抜くためのキーワード

「CX」「ダイレクトリクルーティング」「リファラル採用」「アルムナイ採用」「RJP」「DE&I」…これらは、人材獲得競争が激化する中で新たに発見されたり再注目を集めているキーワードの中でも、特に中小企業が抱える課題を解消するヒントになるものです。今回の記事ではそれぞれのキーワードの解説と活用方法を紹介いたします。

中小企業の人材採用が抱える課題

中小企業は深刻な人手不足に直面しています。多くの企業が人員不足を感じており、人手不足が原因で倒産する企業も増えています。求人数が求職者数を上回る「売り手市場」の中で、即戦力になる中途人材を求める需要は高まり続け、人材獲得競争は激化の一途をたどっています。

求人への応募数が求める水準に届かず、やっと応募がきても、求める能力や経験を持つ人材でないことも少なくありません。能力や適性が自社とマッチしていないと考えつつも、人材不足を解消するために採用し、入社後すぐに辞めてしまうケースが増えています。

採用にかかる費用も大きな課題です。半数以上の中小企業が「採用予算が足りない」と感じており、広告費や紹介料だけでなく、担当者の人件費なども負担になっています。採用専門の担当者を置かずに他の仕事と兼務で対応する場合、採用活動に十分な時間を使えないという問題も出てきます。さらに、良い人材ほど複数の会社から内定をもらっており、より条件の良い会社に流れていく傾向があります。

応募数の不足とミスマッチ、予算や時間の不足、内定後の辞退。これらの課題は互いに影響しあっており、一つの問題が別の問題を引き起こす悪循環に陥りやすいです。今回は、現在の採用トレンドの中から、こういった課題を解決する糸口になる5つのキーワードを紹介いたします。ぜひ、皆様の採用活動にお役立てください。

①「採用CX」を重視した採用活動

CXは「Candidate Experience(候補者体験)」の略。候補者が企業を認知してから選考を終えるまでの一連の体験を、志望度向上やファン化を目的に設計する考え方です。採否に関わらず「この企業の選考を受けてよかった」と思ってもらえるよう、各採用プロセスにおいて「候補者が価値を感じる体験」を提供することを目指します。企業が選ぶ側から選ばれる側へシフトしてきたことによって注目されています。

採用CXを重視することで、選考過程での離脱を防ぎ、内定後の承諾率を高める効果が期待できます。また、直接の採用に繋がらない場合でも、数年後にその人が転職を考えた際の有力な候補になれるかもしれません。人材の流動性が上がっていくなかで、今後ますます重要になっていく考え方といえます。

一見すると大量の応募者を相手にする、大企業向けの戦略のように感じるかもしれませんが、現在は中小企業でこそ重要な考え方です。選考活動を通して与える体験価値の向上は、事業規模で勝る企業とも勝負ができるポイントになります。給与・待遇の改善のような組織的な取り組みと比べるとコストがかからず、短期的に実行可能です。メールや電話での応対の仕方、面接の方針など、すぐに改善できるポイントも多いので、ぜひ一度、自社の選考フローを見直してみてください。

②「個別採用」の導入

従来のマス型採用に加え、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、アルムナイ採用など、企業が個別に候補者にアプローチする手法が活発になってきています。

ダイレクトリクルーティング

企業が自ら求職者データベースやSNSなどを活用し、求める人材に直接アプローチする採用手法です。転職潜在層にも接触でき、従来の応募を待つ手法では出会えない人材の獲得が期待できます。知名度や広告予算で大企業に劣る中小企業でも、候補者一人ひとりに自社の魅力や熱意を直接伝えることで、対等な土俵で採用競争ができます。採用要件に合致した人材に絞ってアプローチするため、採用コストを抑えつつ、ミスマッチの少ない効率的な採用が可能です。

リファラル採用

自社の社員から、その友人や知人などを紹介してもらう採用手法です。紹介者である社員が自社の文化や風土を理解しているため、マッチ度が高い人材が集まりやすく、入社後の定着率向上と採用コストの削減が期待できます。求人媒体では伝わりにくい「社内のリアルな雰囲気」や「働きがい」を、紹介者を通じて候補者に伝えてもらえるため、魅力が伝わりやすくなります。エンゲージメントの高い社員が多いほど機能しやすく、組織の風通しの良さを示すことにも繋がります。

アルムナイ採用

一度自社を退職した人材(アルムナイ=卒業生)を、再び雇用する採用手法です。「出戻り採用」とも呼ばれます。退職後、他社で新たなスキルや経験を積んだ人材を即戦力として迎え入れることが可能です。企業文化や業務内容を既に理解しているため、教育コストを大幅に削減でき、即戦力としてスピーディーに活躍が期待できます。アルムナイ採用を実施できるということは、円満退職者が多く働きやすい職場であることの証しとなり、企業の魅力として内外にアピールする効果もあります。

人材獲得競争が激化する今、中小企業こそ「待ち」の採用からの転換が求められています。こういった新手法は、採用コストを抑えつつ、自社の価値観に合う優秀な人材に直接出会うための鍵となります。自社の状況にあった手法があればぜひ取り入れてみてください。

③「RJP(リアルな情報の開示)」の実施

「RJP(Realistic Job Preview)」とは、採用活動において自社のポジティブな情報もネガティブな情報も含めて「現実的な情報」を入社前に開示する手法です。企業の魅力や仕事の良い面だけでなく、仕事の厳しさや組織の課題といったリアルな情報を、選考段階で候補者に正直に伝え、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぐのが大きな目的です。

採用コストをかけても早期に離職されてしまう事態は、リソースの限られる中小企業にとって大きな痛手です。RJPは、この根本原因であるミスマッチを解消し、早期離職率を効果的に下げることが期待できます。

誠実な情報開示は候補者からの信頼を高め、「この会社は正直だ」というポジティブな印象を与えます。給与などの条件面だけでなく、ありのままの企業文化や価値観に共感した人は、高いモチベーションで長く活躍することが期待できます。そんな、本当の意味で優秀な人材と出会うための採用ブランディング施策として、ぜひ検討してみてください。

④「DE&I(多様性、公平性、包括性)」の発信

DE&Iとは、Diversity(多様性)Equity(公平性)Inclusion(包括性)の頭文字を取った言葉です。働き方や個人の価値観が多様化する現代において、「DE&I」は企業経営における重要な指針の一つとされています。

  • 多様性(Diversity)とは、性別、年齢、国籍、障がいの有無といった外見的な違いだけでなく、経験、価値観、働き方といった内面的な多様性も尊重することを指します。
  • 公平性(Equity)とは、すべての従業員に対し、それぞれの状況やニーズに応じて適切な支援や機会を提供し、成功への障壁を取り除くという考え方です。
  • 包括性(Inclusion)とは、多様な背景を持つすべての従業員が、組織の一員として尊重され、安心して能力を発揮できる状態を意味します。

採用活動において、企業がDE&Iへの取り組みを発信することは、これまでアプローチできていなかった層を含む、より広い候補者に門戸を開くことにつながります。特に、組織風土を重視する候補者にとって、多様な人材を公正に評価する文化を持つことを示す材料として、事業内容や待遇と並んで注目される重要な情報です。

DE&Iへの真摯な取り組みは、多様な視点を取り入れることによる組織の活性化や、従業員の定着率向上にも寄与します。中小企業においては、特に意識されないまま、こういった指針に合致した取り組みが行われているケースも少なくありません。ぜひ一度、自社の取り組みや方針をDE&Iの観点から見直してみてください。

採用活動での具体的な活用法

最後に、これらのキーワードを採用活動へどのように反映していくのか。私たち自身が最も得意とする「採用サイト」を軸に、具体的な活用法を解説します。

候補者体験(CX)を高めるメッセージづくり

CX(候補者体験)を中心に据えたとき、採用サイトの役割は、候補者との最初の対話を生む場として、良好なイメージを築くことになります。サイト全体のメッセージづくりに影響しますが、すぐに着手できる部分もあります。例えば「求める人物像」「募集要項」といったテキスト情報です。一方的で事務的な言葉遣いを避け、候補者に語りかけるような、丁寧で魅力的な言葉を選びましょう。

また、「エントリーフォーム」周辺の改修も費用対効果が高い施策です。必須項目を最小限に絞って入力の負担を軽減したり、送信後の自動返信メールに「ご応募ありがとうございます」の一言だけでなく、次のステップの案内や会社の魅力が伝わる一文を添えたりするだけでも、候補者が抱く企業の印象は大きく向上します。

「個別採用」訪問者の受け皿となるページ追加

次に「個別採用」を実施する場合は、採用サイトが画一的な情報提供の場で終わらないようにすることが重要です。個別採用の候補者は、採用担当からのメッセージや、紹介者からの話を聞いた上で、サイトの情報に触れることになります。彼らに対しては、通常の訪問者とは異なるニーズに応える準備が必要です。例えば、「特定の職種経験者向けの説明ページ」や、「カジュアル面談申し込みフォーム」など、候補者の意欲や状況に合わせたコンテンツや専用の受け皿を用意することで、応募へ繋げやすくなります。

「RJP」や「DE&I」を伝える客観的なコンテンツ

そして「RJP(リアルな情報の開示)」と「DE&I(多様性、公平性、包括性)」を伝えるには、「社員インタビュー」「数字で見る〇〇」といった客観的なコンテンツへ反映するのが効果的です。 RJPであれば、社員のやりがいと共に、仕事で大変な点なども率直に語ってもらいます。DE&Iであれば、育休取得・復帰率や平均残業時間といったデータを開示したり、時短勤務や外国籍の社員など、多様な働き方をする社員のインタビューを掲載したりするのが良いでしょう。より強く企業の姿勢として打ち出すなら、既存コンテンツへの反映だけでなく、特設ページを設けてメッセージを伝えるのも有効です。

これらの活用法は、あくまで採用サイトに絞った場合の例です。どのキーワードを活用する上でも共通しているのは、いかに自社とマッチする人材と良好な関係を築くかという視点です。自社の魅力や実情を誠実に伝え、候補者一人ひとりに向き合う姿勢を示すことが、これからの時代の採用成功への第一歩となります。ぜひ、今回ご紹介したキーワードを皆様の採用活動を見直す糸口としてお役立てください。

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