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マルチデバイス展開を可能にする
中小企業サイトのウェブ戦略とは

アピオ株式会社 × 株式会社スタイルメント

スズキ「ジムニー」のカスタムパーツやコンプリートカーを販売するアピオ株式会社の新サイトが8月にオープンした。 「ジムニー」をより多くの人へ認知拡大し、楽しさを分かち合えるようなサイトをめざし、パソコンからスマートフォンまでいくつものデバイス展開を可能にする核を担うサイトが完成した。開設までのいきさつと狙いを通じ、事業拡大におけるウェブサイトのあり方を探る。

マルチデバイス展開を可能にする 中小企業サイトのウェブ戦略とは

旧サイトの問題点を見極め新たなサイト戦略を模索

野村:今回は、中小企業におけるウェブ戦略という視点で、アピオのサイト運営についての現状と、今後の展望を伺いたいと思っています。アピオでは、以前から販売をメインとした楽天のサイトが好調でしたよね?

河野:弊社はスズキの車「ジムニー」のパーツメーカーであり、コンプリートカーの新車販売をしています。ウェブサイト自体は1997年から自社で立ち上げていました。私がコツコツ作って、エンドユーザーに向けた個人通販を行なっていました
。2001年からは、楽天市場に出店し、現在も販売サイトとして運営しています。弊社は、パーツ販売がメインですが、その一方で、ジムニーを楽しむという世界観も伝えたいのに、それを表現するはずの本来のサイトが長らくおざなりの状態だっ
たんです。そこで、やはり「ジムニー」の魅力を伝えるサイトを作ろうということで、スタイルメントに制作していただきました。

野村:確かに楽天のアピオのサイトは、販売サイトとしてしっかりしているので、販売の伸びしろを引き出すためにも、「ジムニー」の物語を発信して、ユーザーを誘うサイトが必要だと考えました。なにより、河野さんが毎日更新しているブログが素晴らしいのに、全然ユーザーにアピールできていないと感じたんですよね。

河野:私や、2005年から店長業務を引き継いでいる井上が書いてきたブログは、私たち自身も数年前の記事がどこにあるか分からない状態でした。

野村:スタイルメントでそれらのデータを探したら、何千ページにもなりました。これはアピオの財産なので、きちんと掘り起こしてユーザーに的確にお届けできる情報として発信するべきだと考えました。

ブログスタイルを軸としたアピオのマルチデバイス展開

梶井そこで、ブログも含め現状のサイトを全部整理することから始めました。ブランドを認知させ、ファンを獲得できる鍵を握るコンテンツを適切なポジションに持ってくれば、リピーターは増え、ファンを広げられると考えました。ファンが増えれば、さらに拡散させるためにSNSのボタンを置いたり次の展開が可能ですから。

野村:いわゆるワンソースマルチデバイスという考え方を採用しました。色んなソースを一カ所で作れば、幾つものデバイスに展開できるという理想的な形です。

梶井アピオの場合は、それをブログシステムとして採用しました。手軽に入力ができ、高い更新性が特徴です。また、多くの方が更新に関わっても管理しやすいところもアピオに適したシステムでした。

井上:私がウェブ全般を社内で担当しているのですが、以前は、私以外の社員が自ら更新することは叶いませんでした。最近はこのシステムのおかげで、各自が自由に発信できる環境が整いました。

河野:かなり使い勝手がいいです。納品した担当者 が、井上が不在でも、撮影して更新まですべて本人がやっています。それと今までのブログは日付順で更新されていましたが、現在は自分のプライオリティに応じて、これは重要だ、というようにカテゴリー分けできるのが魅力です。

野村:それと、youtubeや地図を簡単に貼れたりと、ブログの中でやりたいことがすぐにできるフォーマットにしてあります。ジムニーの世界に引き込む情報を、記事や写真、動画、地図とバリエーション豊かに発信できるようになっています。情報を集約しているので、きちんとユーザーに届いていると思います。

河野:新サイトのおかげか、コンプリートカーの見積もりが圧倒的に増えています。今までは楽天経由が多かったのですが、直接の依頼が増えました。やっと本来のあるべき姿になったと思います。

野村:それは何よりです。こうして情報が活きる枠組みができたので、積極的にマルチデバイスへ展開したいですね。すでにスマートフォンに対応していますが、今後ますますスマートフォンでのアクセスが増えると予想され、これを中心としたマーケティングの検討を是非お薦めします。

河野:スマートフォンだと、情報も場所を選ばず気軽に入手出来ますよね。また、ジムニー好き同士の会話で盛り上がった時に、その場でスマートフォンから購入してもらうことも出来ます。

野村:そしていずれは、ユーザーからの声を聞いてパーツを作ったり、ワントゥワンのビジネスも進められるように、フェイスブックも設計に入れてあります。営業戦略の中で、今後ウェブをどう活用していきたいと考えていらっしゃるんですか?

井上:あらゆる情報はこのウェブサイトから発信して、ここから楽天の買い物かごに辿り着く、というフローを根付かせたいですね。まずアピオのサイトで商品を見たり映像を眺めて、買いたいと思ったらすぐに楽天へジャンプすると。

「ジムニー」の世界観を広げる今後のサイト運営の展望

野村:それぞれのサイトに役割を持たせて、楽天は販売。本サイトでは世界観を発信、フェイスブックでは、フェイストゥフェイスに近いやりとりをしていくようなイメージですか?

河野:ええ。そして理想は、最近紙メディアが無くなってきているので、自社サイトがウェブマガジンのような存在になれたらと思います。弊社のコンセプトに「10年後を後悔しない」というのがあるのですが、「ジムニー」やアピオのサイトが、ユーザーの方々の人生に歓びや感動を与えられる存在になれたらベストです。願わくばそこで知り合った人同士が一緒にツーリングに出掛けてその写真をアップしてくれたり、アピオのフェイスブックのおかげで出会って結婚しましたとか、コミュニケーションできるサイトへと育てていきたいと思います。

井上:柱となるサイトが出来たので、いろいろやっていきたいですね。ムービーも撮影したので、流したいと思います。

野村:そして次は、集客を考えたサイト作りも考えましょうよ。“山ガールとジムニー”とか、“釣りとジムニー”とか、ユーザーが何かのきっかけでアピオをきちんと探せるようにしてあげると、新しいお客さんへアプローチ出来るはずです。もちろん、そのキーワードを受けるページも作成して。ウェブ的なマーケティングの機も熟すと思いますので、ジムニーの魅力を一人でも多くの人に伝えられるウェブ戦略を続けていきましょう。

<取材協力>
アピオ株式会社
http://www.apio.jp

株式会社スタイルメント
http://www.stylement.co.jp/

 

※「アピオ」を共に作り上げた制作者による対談のため、敬称を略しています。
※こちらの記事は2011年12月発行の「WEBプロ年鑑'12」掲載記事を元に再構成しました。

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